神話伝説 (10) [むかしむくれて]
○海幸・山幸
コノハナサクヤ姫が生んだ、長男ホデリノ命は海幸ビコ(漁労の神)・三男ホオリノ命は山幸ビコ(狩猟の神)、とよばれた。 あるとき、山幸ビコと海幸ビコは互いに自分の道具である釣針と弓矢を交換したが、山幸ビコは釣りに慣れていないため魚に釣針を取られてしまった。 これを海幸ビコに厳しく責められ、海幸ビコは家を出た。 途中でその地の支配者シオズチノオジ(航路の神)に出会い・竹の目を堅くこまかく編んだ籠舟に乗せられ、ワダツミノ神(海の神)宮殿(イロコノ宮)へ向かい・その娘トヨタマ姫と結婚した。
神話伝説 (9) [むかしむくれて]
○コノハナサクヤ姫
高千穂の峰に降臨したニニギノ命、カササの岬にやってきてコノハナサクヤ姫に求婚するも、父オオヤマツミノ神は大喜び・姉のイワナガ姫までも差し出した。 しかし、イワナガ姫は希にみる不細工だったので、ニニギノ命はすぐに里帰りさせてしまった。 いっぽうサクヤ姫は一夜で身ごもり、疑うニニギノ命の前で御殿にこもり・内から土を塗り・火をつけ、燃え上がる火の中でホデリノ命・ホスセリノ命・ホオリノ命(ヒコホホデミノ命)を生んだ。
神話伝説 (8) [むかしむくれて]
○天孫降臨
オオクニヌシが出雲で繁栄しているのを見下ろしていた天上のアマテラス、出雲国を掌中に収めることを企てた。 まずアメノホヒノ命を派遣するも帰らず、次にアメワカヒコをつかわすもオオクニヌシの娘と結婚し帰らず、さらに雉ナナキメを女使者としてつかわすも、アメノサグメに見破られ・アメワカヒコに射落とされてしまった。 ナナキメを射た矢は天まで届き、怒ったタカミムスビノ神が下界の出雲に投げ返すと、胡床にやすんでいたアメワカヒコの胸に突き刺さりアメワカヒコは死んでしまった。 最後に、雷神(タケミカズチノ神)と空海神(アメノトリフネノ神)を派遣して武力で出雲国を征服した。
神話伝説 (7) [むかしむくれて]
○オオクニヌシ
ヨミの国へ逃れたオオクニヌシは、スサノオの娘スセリ姫に出会い夫婦の契りをかわした。 これに怒ったスサノオは、オオクニヌシを蛇や百足ゃ蜂で溢れる室に閉じこめたが、スセリ姫の魔法のヒレで助けられた。 次にスサノオは原野に矢を放ち、オオクニヌシに矢を拾ってくるように命じた。 オオクニヌシが原野に入ったのを見とどけたスサノオは原野に火を放ったが、オオクニヌシは鼠の忠告で洞穴に入り難を逃れ・矢を拾って戻ってきた。 スサノオは今度は自分の頭の虱を捕るように命じたが、オオクニヌシはスセリ姫の助けで、スサノオの髪の毛を御殿の椽にしばりつけ・大岩で入口を塞ぎ、スサノオの太刀・弓矢・琴を奪い、スセリ姫を背負って逃げ出した。
神話伝説 (6) [むかしむくれて]
○イナバの白兎
スサノオはクシナダ姫をめとったほか、いろいろな神々の娘との間にたくさんの子をもうけた、その末裔がオオクニヌシノ命。 オオクニヌシは、美女ヤガミ姫との結婚を企むたくさんの異母兄とともに、イナバへ向かった。 途中のケタの岬で皮を剥かれ・泣き伏した白兎に出会うと、兄神たちは「海水を浴びて・風に当たると治る」と教え、そのとおりにした白兎はますます痛み苦しんだ。 そこでオオクニヌシは「真水で体を洗い・蒲黄にくるまって寝れば治る」と教えた。
神話伝説 (5) [むかしむくれて]
○ヤマタの大蛇
天上から追放されたスサノオは放浪しつづけ、その途中農業神であるオオゲツ姫に出合い食物をもらったが、姫が口や尻から食物を出すのを見て殺してしまった。 そして、姫の頭から蚕が・鼻から小豆が・ホトから麦、が生まれ出た。
神話伝説 (4) [むかしむくれて]
○天の岩戸
突然荒れ狂いだしたスサノオは、アマテラスが作った田の畔をこわし・溝を埋め・御殿に糞を撒き、乱暴狼藉をつくした。 長い顎髭を胸まで垂らしたスサノオが泣きわめくたびに、山々の草木は枯れ・川や海も干上がり・あらゆる災いが起きた。 さらに、神聖な機織場に、皮を剥いた斑駒を天上から落とし入れたために、驚いた織女がホトを突いて死んだ。 ついに怒ったアマテラスは天の岩戸にこもってしまった。
神話伝説 (3) [むかしむくれて]
○アマテラスとスサノオ
ヨミ国から逃げ戻ったイザナギが川で体を洗うと、左眼からアマテラス大御神・右眼からツクヨミノ命・鼻からスサノオ命が生まれ出た。 そこでイザナギは、アマテラスに高天原を・ツクヨミノに夜の国を・スサノオに海を治めさせることにしたが、スサノオはイザナミを慕い泣き続けたため追放されてしまった。
神話伝説 (2) [むかしむくれて]
○ヨミの国
イザナミノ命は、最後に火の神カグツチを生み死んだ。 その間際、吐瀉物から金属鉱山の女神と男神・糞から肥料の女神と男神・尿から水の女神・食物生成の神などを生んだ。 イザナギノ命は猛り立ち十拳の剣でカグツチの首を切る落とすと、飛び散った血から岩石の神々・雷火の神々・山岳の神々・雨竜の神々・渓谷の神々・などたくさんの神々が現れ、死体からもさまざまな山の神々が生まれた。
神話伝説 (1) [むかしむくれて]
○オノゴロ島
天地の初め、高天原にアメノミナカヌシノ神・タカミムスビノ神・カミムスビノ神の三神現れるも、独り神のためやがて身を隠した。 その後、ウマシアシカビヒコジノ神・アメノトコタチノ神・クニタチトコノ神・トヨクモノ神などが現れ、やがて男神イザナギノ命と女神イザナミノ命が現れた。