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群馬での暮らし:雷(いかづち) [ぐんま]

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○雷(いかづち)
 天上には「いかづち」・「なるかみ」なる魔神がおり、夏の暑苦しい時に怒り狂い、輝ける眼の光が稲妻となり・怒号が雷鳴となる。(雷鳴はいかづち様が雷鼓を打ち鳴らす、ともいわれる。)
 いかづち様は、山の高い木々を伝わって地上に降り、雷を祀らない者を引き裂く。 激しく怒ると、直接人家・桑畑・田畑など何処へでも降りてくる。 大木をも真っ二つにし・吹く息は火焔となる。

 万場栃本では雷の目撃情報があり、鹽澤山の蛇神の向こうで雷の鳴った後に真っ二つにわれた杉の木の根本に爪のある「いかづち」の児が半分こげて死んでいた。 
※「ムジナ」が焼け死んだなどと言う者はグンマ人に非ず。

○水上の雷目撃情報では、銚子橋に落ちた雷獣は猫のような形で・長い爪があり・眼が非常に鋭かったといわれる。

○北橘村では、部屋の中に落ちてきた雷が、30cmほどの火の玉となり部屋中をグルグル廻ったといわれる。

○上毛新聞によると、大正11年8月13日、君が代橋上にて男が雷に臍を取られ、その跡には二銭銅貨大の穴があいていた。(臍の部分が一番皮膚が薄いとの説もある)


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○雷(伊加豆知いかつち・奈流加美なるかみ)


☆グンマでは、雷から身を守る一番安全な方法は「広い部屋の中に蚊帳を吊り中で寝そべる」とされる。 理由は下記。
①屋根の下なので濡れない
②部屋の真ん中ならで窓が割れても怪我しない
③広い部屋の真ん中なら物が倒れても安全
④壁から離れているということは、コンセント・電気製品・屋内配線から離れているので安全
⑤蚊帳の中なので、上から照明などの物が落ちてきても怪我しない
※現在のところ、これ以上の安全策はありません。

☆蚊帳の中で「遠くの桑原、遠くの桑原」と唱えれば、それは完璧なグンマ人。
※「クワバラ」というのは、世界的に唱えられている呪文だとの説もある。
※雷神は桑の木が嫌い、という説もある。(古くの蚊帳は絹でできていた)

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○避雷針
 明治十二年七月孝明天皇皇后・英照皇太后が伊香保・木暮八郎旅館にて避暑滞在中、落雷により随行員が負傷したので、米国より避雷針を取り寄せて設置したといわれる。

☆雷と樹木
 樹木、中の導管(水分の通り道)が地中から天辺まで通っているので避雷針同然らしい。 

☆雷
 神が鳴るので「かみなり」・「なるかみ」。
※「いかづち」は、「厳つ霊」とも「怒って撃つ」とも「怒って土に落ちる」とも。  

☆稲妻
 「稲の妻」の意、雷が田を肥やし稲の生長を助けるとされた。

☆ほぞを噛む
 ほぞは臍のこと。


★雷と電気
 漢語の「電気」の「電」は雷の別名であり、いわば「電気」というのは「雷の素」といった意味。

★はたして、雷さまは「取った臍」をどうするつもりだったのか…?


Kuniyoshi_kaminari

○流光雷づくし
 歌川国芳、天保一三年(1842年)頃。

 稲妻とぎ・雷豊年おどり・神嶋(雷)干し・うす 引雷・大夕立・雲のさいしき・きょくうち・雷ぎら。

Kuniyoshi_kaminari

○小子部栖軽豊浦里に雷を捕う(歌川国芳)


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