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グンマの昔:春駒 [ぐんま]

Gunma_harukoma1

春駒
 新年に、鈴を鳴らし太鼓を叩き各戸を訪れた。 門口から「サーサ 乗り込めはね込め蚕飼いの三吉 のったらはなすなしっかと飼い込め」との口上ではじまる。(かつては母娘だったが、もはや無い)

※養蚕の神を「オシラ様」とよび、そのご神体は「女性神」とされている。 

横線540透明

[春駒唄]
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春のほじめの春駒なんぞ
夢にみてさえよいとや申す
せめてうつつほ良女の駒よ
年もよし日もよしおかいこもあたる
蚕飼にとりてほ美濃の国の
桑名の郡は小野山里で
とりたる種子はさてよい種よ
結城種子か茨城たねか
どうせすぐれた種子場というは
新地島村信濃の上田

奥州本場がよいとや申す
本場の種子をば寄せいやつめて
かいめの女郎衆にお渡し申す
かいめの女郎衆はほめ喜こんだ
ほかまだけなるあつわたなんぞ
手にかいきりりとしたため込んで
右のこわきに二日三夜
左のこわきに三日三夜
相方合わせて六日六夜
六日六夜の問がこども

暖め申せばぬくとめ申す
三日にみずいて四日に青む
五日にさらりとおいでてござる
おいでほよけれどはくべき種子は
空はてんきゆうきゆうなるとりの
やつのからきりせみぬきもちて
ひと羽根はいては千貫蚕
ふた羽根はいては二千貫蚕
三羽板ほいてほ三千貫蚕
三羽根四羽根とはくことなれば

紙にもあがれば篭にもあがる
あまり侯ひろまり侯
さればこのおこなにがな進上
桑のめぐみが良いとや申す
これより南は八反畑
八反畑はみな桑原よ
十七、八なるあねさんたちは
髪は島田にこじりとゆうて
はやの前掛けにしきのたすき
七九こだけの目篭をもちて

桑の若葉へお手うちかけて
そろりとこいては目篭につめる
つめたるその桑お宿へもちて
さんじょこかじいむねちかさまの
うっちゃるほうじょでさらりとひだり
ちらりばらりとしんぜて廻る
さればこのおこ桑めすような
本馬くりげを牧場において
東へ向いてうらそよそよと
西へと向いてはもとこいちゃんと

食うよもにたあまかうよもにたり
さればこのおこやすみを祝う
しじの休みほしなよく休む
竹の休みほたけごに休む
ふなの休みほふんだん休み
にわの休みはにわかに育つ
四度の休みほなんくせのうて
お家の広さが七十五軒
まぶし豊におりあげまして
なんなくすてなくまぶしにあがり

まぶしにあがりて作りし繭は
五まい千石十まい千石
相方合わせて万万石よ
万万石なる繭山かざり
万万石なる金うけとりて
都ではやりし大八車
大八車に豊かに乗せて
七福神がおてうちかけて
ほていほくろくしどじん様よ
びしゃもんてんにほべんざいてんよ

えびすおんどで大黒しあい
木やりおんどでえんさらさんと
ここのお家にひきつるなれば
金倉七つにさつ倉七つ
十四のお倉に金積み込んで
たまりしお金と残りしさつはこ
おいびす様へとしんぜて申す
鶴は千年亀萬年よ
ここのお家は万万年よ
お蚕はんじょうとお祝い申す
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※唄う人により、歌詞は異なる。
※家人は「蚕があたる」と歓迎し、長い唄だが最後まで聴いておひねりをだした。(途中でお ひねりを出すと、乞食貧乏といわれた)

Harukoma5

Harukoma_takayama※高山村最後の春駒芸人

Harukama12保存会・川場村

Harukoma5c


☆春駒
 グンマには、損馬・馬頭観音など、馬にまつわる伝説が多い。


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