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グンマの昔:餅なし正月 [ぐんま]

Imozouni

餅なし正月の家例(縁起)
 正月に鏡餅を供え・餅を雑煮にして食べるのはごく普通の習俗である。 しかしながらグンマにおいては、「正月に餅を食べない・雑煮には餅を入れない」習俗が数多く見られた。 正月の食習として、雑煮家例・芋家例・そば家例(中毛・西毛)・うどん家例(東毛)赤飯家例・冷飯家例などがあり、正月三が日は餅を食べないのである。

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 1780年頃の高崎城下では武家は正月雑煮を食べるが、民家ではそば・うどんを食べて餅を避け、神様には「イモズイモン・イモカン・オカン(里芋・大根・人参・牛蒡などを煮たもの)」等を供えた。(うどん家例ではうどんを神棚に供えた) カンは羹の意らしい。 それには地域により下記の理由・俗信があったらしい。
○食べたくても食べられなかった(餅米が無い)
○先祖代々のしきたり・言い伝え
○昔を偲び困窮に耐える
○「贅沢はするな」といういましめ
○正月は十分休むため
○正月三が日に餅を食べると「できもの」ができる←意外と多い

 しかしながら、芋羹→芋雑煮→餅雑煮と変化し、餅を食べるようになると地域により、
○餅は大晦日までに徹底的に食べ、残った餅は大晦日にしまい込む
○自分たちは餅雑煮を食べ、神様には餅抜きのものを供える
○餅を食べるが、神供は餅を抜く
○三が日に餅をつき、四日に雑煮として食べる
○もらった餅は食べても良い
○餅を食べた後で、「食べなかった」事にする
等と変化していった

※そば家例とうどん家例を合わせて「メンコエンギ」と言うこともある。
※ナイショで食べるのを「カゲモチ・カクネモチ」とも言う。
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洪水時の凶作・貧苦を残した風習もある。
○正月三が日は、柿の木を燃やし続けてマッチを使わない。
○正月三が日は、泥の里芋を焼いて木尻に立ちみの笠を着て、泣きながら食べる。(川入)
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地域によっては、赤い餅をついたり(赤餅)、鏡餅の上が紅・下が白の色餅もある。  この他に縁起物を年神様に供えた。(干し柿・栗・ミカン・スルメ・昆布・ゴマメ等)

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☆万代精進・大阪堺
 万代八幡宮の氏子は、正月三が日間は身を慎んだ。 下記厳守。
 来客があっても座敷にあげない。 庭に縁台を持ち出して対応する。
 家族は一切会わない。 客は用意された酒肴を勝手に飲食して帰る。
 村人以外に出す料理は、家族用とは別の火を使う。
 家族全員一部屋に集まって寝る。 房事はモチロン禁止。 


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