いちがさけかってまんがひんのんだ [ぐんま]
《グンマを話そう》
○結び言葉 【いちが酒買って、まんがひん飲んだ】
グンマ昔話はこの文句で終わる。 「めでたし・めでたし」といったところだ。
☆他にも下記などある
いきがさけた(新潟)・いきがポーンとさけた(新潟)・いちがさらーんとさけた(新潟)・市がさかえもうした(群馬)・いちが酒かいもうした(群馬)・いちが酒かっちゃったとさ(群馬)・いちごぶらんとさがった(蒲原)・こんで えんつこ さげた(多賀城)・それぽっちり(島根)・どーびんと(山形)・どんとはねた(秋田)・どんどはれ(遠野)・どんぺからこ ねけど(最上)・むかしこっぽり(岡山)・むかしさがった(新潟)・むかしはむくれて今ははげ山(群馬)
他にも、それっきり・ごんべすかんこ・いっちがさけた・どっぴん・いっちがさけた・いちがさけもうした、などある。
○由来は下記だろう
市が栄えた→いちがさかえた→いちが酒買った→いちが酒買っておまんが飲んだ→いちが酒買ってまんがひん呑んだ→いちがさかえてまんがひんのんだ
※ひんのむ:丸呑みのこと。 「ひん」は接頭語、「ひんまげる」や「ひんねじる」に同じ。
※いちは「市あるいは一」、まんは「満あるいは万」
(おそらく、国定村近郊天王村の女俠客「おまん」ではないか?)
※「市がさかえ申した」、会合が終わったとき・相談事がいきづまったとき、などにも言った。 地域によっては「モグラが岩につっけえた」ともいった。 。
☆「お市の方」が栄えて「大政所」が貧しくなった(市が栄て、政が貧となった)、との説もある。
☆子ども相手の昔話と考える下記説もある
いちがさかえてまんがひんのんだ→いちがさんかいてまんがひんのんだ→一が三描いて万がひん飲んだ→一を三回描いて万が飲み込んだ→一を三回描いたら万になった→三万→さんまん→散漫(な話でした)
※まんという名は、巫女に多い名のひとつ。
☆まん直し・マンナオシ マンは幸せの意。 主婦たちが酒を漁主に贈り、みんなで飲んで・歌って・踊って、運直しをする。(佐渡など)
☆結句追加
いちがさかえた。
いちがさかえ申した。
いちがさかえ申す。
いちがさかった。
いちがさがった。
いちがさかったっちや。
いちがさかって、とうやがはじけた。
いちがさかって、むかしはむくれる。
いちがさげえかえって、さんたろうがひんのんだ。
いちがさけえかかって、やすがひんのだ。
いちがさけえかった。
いちがさけえかって、おとうどんがひんのんだ。
いちがさけえかって、くまがひんのんだ。
いちがさけえかって、けいたろうがひんのんだ。
いちがさけえかって、たろう(じろう)がひんのんだ。
いちがさけえかって、のんでまったっちゃ。
いちがさけえただのんだ。
いちがさけえひっかった。
いちがさけえひっかって、またえもんがひんのんだ。
いちがさけえ申した。
いちがさけえ申す。
いちがさけかって、□□がひんのんだっちゃ。
いちがさけかって、おとがひんのんだ。
いちがさけ申した。
じじいはじーといて、ばばあはばーっと、すっとんだ。
それっきり。
そればっか。
そればっかり。
とうやははじけた。
むかしがむくれてとうやがさかった。
むかしはむかし、いまはいま。
むかしはむくれて、いまはげ山にはぎが三本はえた。
むかしはむくれて、いまははげた。
むかしはむくれて、いまははげ山だ。
むかしはむくれて、いまははじけた。
むかしはむくれて、とうやははじけた。
むかしはむくれて、とうやははじけたっちゃ。
むかしはむくれてとうやははじけて、いちがさかえた。
むかしはむくれる。
むかしはむっくり、いまはべっそり。
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