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群馬での暮らし:たの九 [ぐんま]

Tanu9

《グンマを話そう》

○たの九・たのきゅう
 ある昔、芝居好きが高じて役者になった「たの九」という男がおった。 ある時、里帰りしようと日の暮れた山道を歩いているうちに、「うわばみ」が出る峠にさしかかった。

蟒蛇「おまえはだれじゃ!」
男「じゃまだ、どけ、おれはたの九だ!」
蟒蛇「オッ!うまく化けたな、娘にも化けられるか?」(「たの九」をタヌキと聞き違えた) 
男「かんたんなこった、ホラヨ」(蟒蛇に目をつぶらせ、その間にカツラをつけ役者衣装を着替えた)
蟒蛇「スゴイ腕前だ! これなら何にも困らないだろう。」
男「それがな実は、人間の作った物が怖いんだ。特に小判だ、あの光で眼をやられ頭が狂ってしまうんだ。あと饅頭もだ。死んでしまった狸もいっぱいいるんだ。おまえはどうだ?」
蟒蛇「ここだけの話、煙草のヤニがダメなんだ。体につくと溶けてしまうんだ。」

 里に帰った「たの九」は、村中の煙草のヤニを四斗樽に集め、蟒蛇の通り道そして穴の入口にたっぶり塗りつけて廻った。 翌朝ヨロヨロになった蟒蛇がやって来た。「よくも裏切ったな! おれはもうすぐ死ぬんだ、おまえも道連れだ!」と怒り狂い、大嫌いな小判をこれでもかこれでもかと注ぎ掛け・饅頭もぶっつけて、蟒蛇は死んでしまった。
 (群馬にはこの手の話が多い、落語の源話はグンマにあり…かもしれない)


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